<もののけ姫のあらすじ>
中世の枠組みが崩れ始めた室町時代の日本。いまだ人を寄せ付けぬ太古の深い森の中には、人語を解する巨大な山犬や猪などの神獣たちが潜み、聖域を侵す人間たちを襲って、荒ぶる神々として恐れられていた。
エミシの末裔のアシタカは、人間への怒りと憎しみによってタタリ神と化した猪神に呪いをかけられ、それを解くために訪れた西の国で、数奇な運命に巻き込まれていく。
森を切り開いて、人のための豊かな土地を作り上げようとする、タタラ製鉄集団のエボシ御前は、鉄を打ちながら人間中心の社会を築き上げようとしていた。
一方、犬神に育てられた少女サンは、“もののけ姫"と恐れられ、森を守るため神々とともにタタラ集団と戦っていた。双方とも「己が正義」と信じるこの争いに、さらに不老長寿の力があるというシシ神の首を狙う侍たちが絡み、三つ巴の戦いとなる。
アシタカとサンは、惨劇の中で出会い、心を通い合わせる。しかし、森を巡る戦いは凄惨を極め、大混乱の中、シシ神の首が奪われてしまう…。
<もののけ姫の感想>
「生きろ」このキャッチコピーが印象的であったこの作品。
ニンゲンと自然の対峙性、そしてともに共存するとはどういうことなのかという深いテーマに迫った巨匠宮崎駿監督の渾身の一作です。
また、そのストーリーの良さ、深さもさることながら、登場人物それぞれに魅力があるところがこの映画のすばらしいところです。
一見、主人公サンからすると敵とも言える、エボシ御前とタタラ場で明るく働く女性たち。
それぞれが一生懸命にその立場と毎日を送っているところに私たちも共感していきます。
そしてコダマのようなサブキャラともいえる不思議なものたちのスパイス的に入るシーン。
そして美輪明宏、森繁久彌らが演じる重厚感ある神たち。
さすが、ストーリーを単純化させない工夫が随所に散りばめられています。
また、主題歌や映画の楽曲も幻想的で映画にあっていてこちらもさすがと言わざるを得ません。
一度目に見た時よりも何度か鑑賞するうちにだんだんとその世界観、そして言葉一つ一つの意味が伝わってきます。
宮崎駿監督の代表作としてずっと受け継がれてほしい作品です。